2015年6月12日

海外向けネットショップに Jugem Cartを使ってみる

ここのところの大幅な円安の影響(+なんやかんや)で、「越境ECだ」なんだと、流行しはじめている海外向けネットショップ。
カラーミーショップ大賞2015」に挙がっているショップを眺めていても、すでに海外向けに販売を始めているお店がちらほら見受けられました。

流行とは別に、外国語ができる・商品が適応しているなどの条件が整っているのなら、ネットショップの次の一歩として検討するのもありかもしれませんね。

今回の「カラーミーいじりたおし」では、カラーミーショップとJugem Cartの繋がりを念頭に特徴を抜き出し、実際のWeb制作過程において気づいたことなどもまとめてみました。


0. カラーミーショップでやれる・やれない


「ショッピングカートを使わない&メールでやり取りできる」のであれば、カラーミーショップでも海外との取引は可能で、「カラーミーいじりたおし」でもずいぶんと昔にそのような話題をとりあげたことがあります。【参照】「英語ページをつくる 1」 「英語ページをつくる 1

上述の「ショッピングカートを使わない」前提は、カラーミーショップはSSLページ(ショッピングカート~決済画面など)の表示をいじれないため、日本語の理解なしにはお客様が利用できないためです。

海外向けショッピングカートシステムは、Jugem Cart以外にすでにいくつかありますが、海外向け(ex. Jugem Cart)と国内向け(ex. カラーミーショップ)の違いは、極論すれば、カート画面~決済画面が英語対応しているかどうかです。

もう一歩踏み込んで海外展開を進める場合に、海外向けショッピングカートシステムは必要になってきますが、その選択として、Jugem Cartはどうなんでしょうか?


1. Jugem Cartを費用面から検討する

初期費用ゼロ、月額固定費ゼロ。

比較対象の別サービスだと月額数千円~。オプション別料金など。

Jugem Cartは月額基本料金がない分、販売手数料として販売した商品代金の10%(税抜)を支払うことになる。
月100万円販売するお店だと、販売手数料10.8万円(消費税8%として)。これはさすがに高い。
ゆえに、海外市場を開拓する並々ならぬ意気込みと戦略があって、本気で海外向けネットショップをはじめるなら、Jugem Cartを選ぶかどうか悩みどころ(何を悩む必要があるのかは後ほど)。

そうではなく、気軽に、ふんわりとスタートして、やりながら発展させていく考えなら、Jugem Cartは始めやすいです。

カード決済必須。

海外送金という手段もありますが、海外のお客様の手間を考えれば、通常、カード決済を導入します。
PayPalは月額利用料ゼロ=固定費ゼロという面で、Jugem Cartとの相性バツグンです。
決済手数料も他(イプシロンなど)と比較して安く、また海外での利用者も多いため、おすすめです。
PayPalの決済手数料は、決済金額(商品代金+送料)×3.9%+40円/件。安い。

【参照-公式】「クレジットカード・PayPalを利用した場合の利用料

海外向けは消費税が不要。

国内と海外の販売価格を(税込で)同じ価格設定をしたなら、海外販売では消費税8%分はショップの利益になります。
そういう計算の上で検討すると、Jugem Cartの手数料も「仕方ないか」と納得(説得)しやすくはなります。


2. Jugem Cartを選ぶ最大の利点は?

カラーミーショップと在庫数の連携が可能。

在庫管理が必要な場合(取扱商品が一点ものであるなど)、海外でも国内でも積極的に販売して、手動で在庫管理することが現実的かどうか(お店の事情によりますよね)。
売れば売るほど販売手数料が悩ましくなり、同時に手動の在庫管理も厳しくなってくるというジレンマ。

カラーミーショップとJugem Cartの相互で在庫を増減するような仕組みになっているらしいです(テストしたら追記します)。

(当たり前かもしれませんが)カラーミーショップと在庫数の連携はするけれども、Jugem Cartには別途、商品登録が必要です。

【参照-公式】「カラーミーショップと在庫を連携できますか?

商品データのアップも比較的簡単。

作業としては、カラーミーショップからCSV形式で商品データをダウンロードして、商品名、説明文などを日本語から英語に書き換えて、Jugem Cartへアップロードする必要があります(このさい連携用に、カラーミーショップの商品IDをJugem Cart側に登録している)。

そのほかには、Jugem Cartではカラーミーショップのカテゴリーがなくなりました。Jugem Cartのカテゴリーはカラーミーショップでいうところのグループと同じです。そのため、カテゴリー周りは別途作業が必要になります。

【参照-公式】「カラーミーショップに登録中の商品を、JugemCartに一括でインポートできますか?

操作性・機能性も違和感なし。

カラーミーショップの機能から一部省いた印象で、ショッピングカートシステムの機能として、できることも、管理画面の操作も、かなり近いです(画面や操作が変わった箇所は使い勝手を向上させている)。

おすすめ、売れ筋、最近見た履歴、組み合わせ購入、スライドショーは、カラーミーショップと同様に機能あり。「どこでもカラーミー」も使えます


3. そのほか、まとめ


始めるにあたり、知りたい情報は大体載っている「Jugem Cart サポートセンター」をご一読されるが吉。

カラーミーショップのテンプレートをJugem Cartにコピーした場合、修正せずにかなりの部分が動きます。ただし、商品画像の独自タグのいくつかが変更になっているので、たいした手間ではありませんが、手直しが必要です。

それほど支障はありませんが、カラーミーショップで使っていた独自タグのいくつか(比較的マニアックなの)がありません。今後に期待でしょうか。

カラーミーショップAPIのような機能は、今のところ見当たりません
カラーミーショップの商品IDを参照する独自タグがあれば便利になるのですが、現時点ではありません。
フリーページが10ページ(今後増えるかもしれませんが、少ないので注意)。
メルマガ機能がない…不要か。

20日以内に注文をキャンセルすれば、販売手数料は発生しない(それを悪用しちゃダメと書いてありました)。

結局のところーJugem Cartまとめ

実際使ってみると、大体の機能が揃っていることがわかりました。「カラーミーショップを使っていて海外向けも」と検討している方には、連携・データ移行・操作の面からもおすすめでしょう。

また、費用面でも「とりあえずやってみたら?」的にはじめられるのが、Jugem Cartのすごいところ。

以上、「カラーミーいじりたおし」的にも、Jugem Cartに対して、前向きな印象を受けました。
皆様、いかがだったでしょうか? ご参考になれば幸いです。